スペシャル

天野まみる編

ラウンド、ツー! ファイッ!

 

まみるのキャラは、迂闊なジャンプが禁物っぽい。

その代わり、前ダッシュと後ろダッシュで機動性が確保できるみたい。

 

まみるはその特性を活かす事にする。

ちくちくと攻撃を当てては引く、ヒットアンドアウェー作戦っ。

 

ガードを固められてしまえば、ほとんど通じない作戦ではある。

でもお兄ちゃんも、まだゲームに慣れていなかった。

まみるの細かい攻撃にジレて、反撃の大振りを外してしまう。

 

そのスキをついて、まみるの超必殺技発動っ!

まみるのキャラの周りに、その小さな分身が6体出現っ!

それが飛び道具となり、黒人ボクサーに襲いかかるっ!

 

キュドドドドドッ!

 

その一発で、5分の2くらい体力が削れたかな?

それで慎重になりすぎたお兄ちゃんは、あまり手を出さなくなった。

 

結局時間切れまでいって、まみるの優勢勝ち。

ふっふっふ~。まみるの思うツボ。

 

『これで1対1のイーブンにゃね縲怐x

『ぼくもだいぶ分かってきたし、次のラウンドは負けないよっ』

 

さてさて、そううまくいくかにゃ縲怐H

 

ラウンド、スリー! ファイッ!

 

二本先取の戦い――

これが正真正銘、最終ラウンドっ!

 

まみるは前のラウンドと同じくヒットアンドアウェー作戦。

けどお兄ちゃんの対応も慣れてきて、カウンターで迎撃される事も。

もっとも、まみるも負けてない。

逆にカウンターを誘って、そのスキにお兄ちゃんの体力を削っていく。

 

そうして、ほぼ五分の攻防が繰り広げられ。

互いの体力ゲージは、残り5分の1ほどになる。

どちらであれ、大技の一発が決まれば終わる状況だ。

 

次の攻防で――決めるっ!

 

まみるが前ダッシュで接近、小キックを放つ。

お兄ちゃんの黒人ボクサーは慎重にガード。

ガード後、牽制のような小パンチを打ってきた。

バックダッシュで、ギリギリ回避。

すると、続けて大技の必殺パンチ、強烈な右ストレートが放たれるっ。

 

けどまみるは、その一瞬前にジャンプをしていた。

紙一重、必殺パンチはまみるの足の下に空振りっ。

 

ただし、まみるのキャラのジャンプは滞空時間が異様に長くスキだらけ。

 

黒人ボクサーの身体が一瞬光り輝く。

ピキューンッ!

それは、超必殺技の発動エフェクト。

乱打される強烈なパンチの群れが、まだ空中でガード不能状態のまみるに襲いかかるっ!

 

けど――まみるはこの時こそを待っていたっ!

 

電光石火のコマンド入力、4123646321428Zっ!

 

その瞬間、まみるのキャラの全身――「や、画面全体がフラッシュするエフェクトがかかる。

すると、無数の分身がバリヤーのように本体の周辺を回り出した。

けど、超必殺技発動中の黒人ボクサーの動きは止まらないっ!

 

バリバリバリバリィィィッ!

 

弾かれるように吹っ飛んだ黒人ボクサーは、そのままダウンっ!

そして、二度と立ち上がる事はなかった……

 

パンパカパ~ン♪

まみる、WIN!

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