スペシャル

守宮七夏編

あたしは、生徒会室で軽く頭を抱えていた。
つい先ほど、指導課の先生に注意された問題だ。
「廊下を走る学園生が多くて、危ないって……」
どこの小学校だ、ここは。
元気がありあまってるのは、いい所でもあるけどさ。

そばにいる、幼馴染みの少年に尋ねる。

「ゆうだったら、どうする?」
「ん……、『走っちゃダメ』って貼り紙するとか」
「ふんふん?」
「生徒会長の七夏ちゃん自ら、朝礼で呼びかけるとか」
「まずは、そんな所かしらねぇ」

とりあえず、頷く。

「んじゃま、貼り紙の素案でも作っておきますか」

紙とペンを用意して。
『キケン! 廊下は走らない!』、と……。
それだけだと味気ないから、かわいい絵も描いて……。
と、ゆうが話しかけてきた。

「……七夏ちゃんって、なんでもできるけどさ」
「うん?」
「絵心だけは微妙だよね」
「……ほほぅ」
「あ、ご、ごめんっ」

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