白目を向いていたファティマが、ようやく視線を元に戻した。
戻したと言っても、見ている先は宙……焦点はどこにもあっておらず、さまよっているが。
【ファティマ】
「あ……や、だ……やめ、て……」
【伊座凪】
「ふん、やめてと言われてもな……どうした、逃げるつもりだったんだろう」
【ファティマ】
「う、に、逃げ……に、げ……」
惚けているファティマは、壊れたおもちゃのように同じ言葉を繰り返す。
まだ先ほどの絶頂で頭の中に霞がかかっているのだ。夢うつつの中で俺の声を聞き、反射的に言葉を返している。
【ファティマ】
「ゆるしてぇ……ゆるして……」
小さくかぶりを振るファティマに、俺は微笑みかける。
そしてゆっくりと、彼女の身体に覆い被さった。
【ファティマ】
「いや……いや、なに……やめて……」
愛液に濡れ、切なげに震えるファティマの肉穴に、ペニスの先端をグッと押しつける。
【ファティマ】
「うっ……」
かすかに声をあげ、喉をそらして唇を噛みしめる彼女の奥深くへ向け、グッと腰を押し込んだ。