七夏ちゃん、瑠璃ちゃんと合流しての登校中、
七夏「しっかし、ゆうの長所ばかりは、さすがのあたしもマネできないわ~」
突然、七夏ちゃんがそんな事を言い出した。
ゆうき「え? そ、そんな長所、ぼくにあったっけ」
瑠璃「私も初耳です。いかなる長所が天野に?」
七夏「うん、そうね」
そこで七夏ちゃんは、もったいぶるように一度言葉を切って、
七夏「学園男子で、一番背が低い♪」
ガンッ!
ゆうき「それ、長所じゃない……」
七夏「ショタ好きのおねえさん方にモテモテだったりするじゃない」
ゆうき「それでモテるのは、男としての沽券にも関わるの!」
瑠璃「ふむ。天野のくせに、意外に男らしい事を言う」
ゆうき「ぼくはまだまだ成長期なんだから! 来年にはきっと夢の150㎝台っ!」
七夏「ま~、頑張って~」
そして、ちら、と瑠璃ちゃんの方を見る七夏ちゃん。
七夏「ところで、瑠璃って今、何㎝あったっけ?」
瑠璃「先日計ったところ、ちょうど170㎝になっていました」
ゆうき「…………」
……泣いて、いいですか?
七夏「あはは、冗談はこれくらいにしておきますか」
ゆうき「あ、冗談なのね……」
七夏「とにかく、ゆうにはいつも手伝ってもらって感謝してるから。もちろん瑠璃にもね」
瑠璃「恐縮です」
ゆうき「まあぼくなんかで良かったら、いつでも手伝うよ」
こんな感じで、仲の良い学園生活を過ごす、ぼくたち三人だった。