才華「まったく、危ないじゃありませんか。ちゃんと前を見て歩きなさい」
ゆうき「ご、ごめんなさい」
ぶつかって転びそうになった所を、才華さんに腕をつかんで助けられ。
気がつくと、こんな体勢になってしまっていた。
ゆうき「と、とりあえず下ろして――」
もにゅっ。
ゆうき「ひゃあっ!?」
才華「え?」
もにゅっ。
ゆうき「んひゃっ!」
才華「はい? どうされましたの?」
さ、才華さんの右手が、ヘンな所に当たっていた。
しかも彼女はそれに気づいてなくて、バランスを取るため力を入れ――
もにゅもにゅ。
ゆうき「んあっ、ちょっ! タ、タンマっ! それはタンマっ!」
才華「あ、暴れないでください」
もにゅもにゅもにゅ。
身をよじると、彼女がぼくの身体を支えようとして、
例の場所がより強く握られるという、イヤな悪循環が発生していた。
ゆうき「ちょっ、待った、それはさすがに……っ!」
才華「もうっ、ほら、おとなしく――て、あら? なんですの、これ?」
ようやく自分が『なにかヘンなモノ』をつかんでいるのに気づいたらしい。
才華「――てっ! こ、これ……!?」