七夏ちゃんと瑠璃ちゃん、そしてぼくの三人は、集会場への入り口と思われる扉の前に立っていた。
ドアの向こうからは、怪しい宗教の儀式らしい、たくさんの、嬌声ともつかない不気味な声が入り混じって聞こえてくる。
七夏「じゃ、いっくわよ~? 覚悟はいい?」
確認してくる七夏ちゃんに、ぼくと瑠璃ちゃんはそろって頷く。
そして七夏ちゃんはドアに手をかけ、勢い良く開いた。
集会場は、学園の講堂に似た作りになっていた。
広々とした部屋には、何十人という信者たちが座って祈りを捧げている。
そしてその奥、一段高くなった壇上には、御本尊と思われる巨大な像が置かれ、その脇には教祖とおぼしき人物が立っていた。
教祖が、突然の闖入者であるぼく達を驚きの表情で見下ろす。
教祖「ぬおっ? な、なんじゃ、おぬしらはっ!?」
七夏「あんた如きに名乗る名前は、ないっ!」
七夏ちゃんの鋭い一声が、教祖を怯ませる。
教祖「な、な、なんじゃとっ?」
瑠璃「東栄峰学園生徒会長、守宮七夏殿が天に代わってやってこられたのだっ! その身を恥じて、おとなしく裁きを受けるがいいっ!」
教祖「せ、生徒会長? どこぞの学園の生徒会長が、この集会場に何用があるというのじゃっ!?」
七夏「そうねぇ……。うちの学園生の一人がタコタマ教に入信して、誰と構わず壺売ろうとしてるから迷惑してる、てので、理由になる?」