スペシャル

加納りんご編

そこで、いきなり意識が遠のきました。

 

「……あ、れ?」

 

世界に広がるのは、ただ、闇——

意識はやがて、闇がそこにある事すら認識できない、無に飲み込まれ——

 

……………………。

 

そして、どれくらいの時が経ったのでしょう。

 

「ん……」

 

次に目を開いた時、最初に目に入ったのは、白い天井でした。

わたくし加納リンゴは、病院のベッドで横になっていたのです。

 

あとでお医者さんに聞いた話だと、トラックにはねられ意識不明の重体だったとか。

そして三ヶ月ほど眠って、ようやく目を覚ましたそうです。

 

一体どこからどこまでが夢だったのか……。

それとも、今こうしている事まで含めて夢なのか……。

 

わたくし加納リンゴは、退院の近い病院のベッドで、悩み続けています……。

 

「とかゆー締めにしたら怖かったんでしょかっ? 七夏さんっ」

「ヘンなオチをつけずに最後まで相手をだませたら、ちょっとは怖いかもね」

 

七夏さんのお墨つきっ。

これで野望に一歩近づきましたーっ!

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